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2014.01.22

ライフスタイル

ハンス・ロスリング氏の統計学データの視覚化、つまりインフォグラフィックと、巧妙なトークは、世界をとてもわかりやすく、しかも本格的にとらえるものとして、いつも参照させてもらっている。
この「ハンス・ロスリングと魔法の洗濯機」というトークも、とても興味深いものだ。

このトークを見ると、スウェーデンでも洗濯機が家庭に入ってきたのは、日本と変わらない時期であり、それ以前は、桶と洗濯板で洗い物をしていたのがわかる。そして洗濯機が入ってきたことによって、生活のスタイル、女性とりわけ主婦の生き方が変わり、母親と子供のライフスタイルも変わったのがわかる。

このトークでさらに驚くのは、世界に70億の人間が暮らしているうち、わずか20億人が洗濯機を使っているということだ。洗濯機は無くとも電気を使っている人も含めた世界の電力利用者の人口は全部で50億人で、残りの20億人は、焚き火などが生活の中心。(たしかに数年前に訪れたマリの村は電気がなかった。それでも携帯電話はあったが・・)

世界の状況と照らし合わすと「エコ」とか「ロハス」というのは、実はとても余裕のある生活だから出てくるものだ。世界の8人に一人、つまり8億4千万人ほどの人たちが飢餓状態にあり、その飢餓は開発途上国に集中している。これは先進国の「飽食」の世界とも対比される。

もちろんこの現状は、どんどんと変化している。次の20年ぐらいでは、世界中で電気を使うことになるだろう。こういう技術の移転というのは、どんどんと世界を変えていくものだ。
技術が加わるといろいろなことが同時に変わってくる。先のロスリング氏の家に洗濯機が入ることによって、母親が時間の余裕を得て、子供たちに本を読んであげることが可能になったという。これは同じころに日本でも起こった。そのことにより、子供たちの勉強のあり方も変わった。
もちろん電気や洗濯機がなくとも勉強はできる。日本の学校では勉学の象徴として、かつては多くの小学校の校庭にあった二宮金次郎の像がそれだ。この像が、背中に薪を背負っているというのも象徴的だ。つまり当時のエネルギー源を背負って、勉学にいそしんでいたのだ。ただそれは尊敬に値するものだが、希有で困難な例でもあるため、シンボルとして普及していったかもしれない。

いまはオンラインの教育プログラムがどんどんと登場している。Kahn Academyのような、小学校から大学レベルの内容をどんどんと無料で公開しているものもあれば、OCW = Open Course Wareのような大学が授業内容を公開しているものもある。コンピュータの値段はどんどんと下がっていて、ネットさえあれば、無料で高度な教育を受けることができる。そしてネットの利用も、確実に広がっている。
この分野は多様化して、あらゆる学習内容に対応したプログラムが様々な組織から出ている。

世界はどんどんと変化している。一般的に人の変化への反応は遅れがちなのは常だが、この変化を読み取っていくことで、社会はこれまでにない生活のレベルを促進していくことができる。
知的なつながりは、世界を覆うようになっている。

世界大戦や植民地主義で彩られた前世紀の構造が払拭され、21世紀のライフスタイルがつくられていく。


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