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2005.09.05

露出するデザイン

For most of us, design is invisible. Until it fails.

カナダのケベック州で送電線の鉄塔が氷雨のために倒壊した写真を背景に、Bruce Mauが"Massive Change"の冒頭で挙げている上の言葉は、この本のなかでもかなりインパクトがあるように思える。

この本でいうデザインというのは、本来のデザイン(いわゆるデザインあるいは「設計」)という意味のみならず、「仕組み」という意味でも考えられるのだが、事故などによって、デザインや仕組みが露になることが多々ある。とくに大きな災害などで、それらが露になったりする場合だ。
最近では地震によって、東京のエレベータ数万台が停止したり、過密ダイヤの無理な運行で列車事故が起きたりするのも、その例だろう。普段は気がつかない仕組みが、ある時、突然露出する。(映画マトリックスで、この世界が実はコンピュータによって仮想に作られたものであり、それに気がつく時、そしてシステムの機能が崩れる時に、自分の周囲の壁や廊下がデータの流れに変わって見えるのも、デザインの失敗をあの映画の筋のなかで表したものと言っていいかもしれない。)

ところでこのMassive Changeのなかで、ペルーのInstitute for Liberty and Democracyの代表であるHernando de Sotoが語るpropertyに関する定義はユニークだ。彼はproperty lawのリデザインを提案している。

The information contained in the property system represents its value. The value is captured in the property document. In this case, property is a system of representaions of value. If you don't have a property system, you don't have the representational devices with which you can then capture value, store it, make it liquid, and invest it.

このMassive Changeという本は、とてもユニークなものだ。Mauの高い編集能力によってできあがった産物だ。

しかし、この本のなかで一つ自分にとって違和感があるのは、高層の高度に密集した都市ができることによって、その周囲には自然環境を残してバランスがとれるようにできるというような考えだ。たしかにぼくも以前から自然をほんとうに大事にするなら、むしろ都市に住んで自然はなるべくそのまま残すようにした方がいいと考えてきた。つまり自然を愛するから自然のなかに住むというのは、実は自分の自然に対するインパクトを考えない愚かなことだからだ。
ただその解決が、高度密集都市なのかどうかはわからない。自分にとって、そのイメージがデザインできないのだ。高度密集都市が、果たしてナチュラルなものとなるのだろうか?

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